4月19日公開、映画『リンカーン』 感想と予備知識

映画リンカーン

先日USへ行ってきたんですが、国際線の機内で、スティーヴン・スピルバーグ監督作品、ダニエル・デイ=ルイス主演、『リンカーン』見てきました。日本での公開日は4月19日ですので、観る際の参考にしていただければ。




ストーリー

舞台は1865年1月、国を二分した南北戦争終結からさかのぼること3か月のアメリカで、再選されたばかりの時の大統領リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、奴隷制度を廃止させるため、なんとしても戦争の終結前に合衆国憲法修正第十三条を下院議会で可決する必要がありました。

国務長官や、力のある党員の協力を仰ぎ、党の票をまとめるも、成立させるためには20票、足りません。リンカーンはあらゆる策を弄するように命じ、ロビイストを駆使して、敵対する民主党議員の切り崩しにかかります。

そんな中、正義感の強い長男は、母の強硬な反対を押し切って北軍に入隊し、戦争に出兵してしまいます。父として、大統領として、葛藤に苛まれながらも、第十三条は採決の日を迎えます。


名優ダニエル・デイ=ルイス

と、リンカーンの人生の中から、南北戦争終結前の2ヶ月に焦点を絞って映画化された作品です。

なんといっても今回の映画の最大の魅力は、名優ダニエル・デイ=ルイスのリンカーンとしての演技ではないでしょうか。伝説的大統領の役のオファーで、一度は断りかけたというプレッシャーの中、スクリーンの中に本物のリンカーンを見ているような見事な演技でした。

喋り方も独特で、彼はリンカーンの出身地方のイントネーションや発音などを学んでから演技に臨んだそうです。

非常に感動的な映画ではあったんですが、作品としては、日本人には少々難しいというか、伝わりづらいかもしれないな、と感じる部分もありました。

この映画を楽しむために、一つだけ知っておいたほうがよいことがあります。

それは南北戦争の背景です。戦争の焦点は奴隷制にあったのですが、僕は南北戦争についてあまりに何も知らずに『リンカーン』を見ていて、途中から「うわー、失敗した」という思いがかなりありました。
逆に言えば、南北戦争について、知れば知るほどこの映画の深みを楽しむことが出来ます。


南北戦争について

南北戦争直前のアメリカでは、北部と南部の格差が拡大していました。北部では急速な工業化が進み、一方の南部では奴隷の労働力を頼りにした農業が主な産業でした。

奴隷制が焦点となった1860年の大統領選では、奴隷制に反対していた共和党のリンカーンが当選、ここからアメリカ南部では、奴隷制廃止への不安が広がることになります。

翌年3月にリンカーンが正式に大統領に就任すると、4月には南部の州で形成されたアメリカ連合国が北軍への攻撃を開始し、南北戦争の開戦となりました。

戦時中に行われた、1863年のゲティスバーグ演説 ( government of the people, by the people, for the people... ) は世界史の教科書にものるほど有名です。

1865年の終戦まで、実に60万人以上もの戦没者を出した激しい戦争でした。


詳細はwikipediaなどでも知ることが出来るので、見ようと思っている方は軽く予習をしていくと、より映画『リンカーン』の世界が楽しめるのではないかと。

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